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事業のお知らせ

ゴルフコースを維持管理する”コース管理課”

ゴルフ場運営における最大の商品は「ゴルフコース」です。
ゴルフコースを利用してゴルフプレーを一日楽しんでいただき、お客様からその対価を頂戴する事業です。

その商品を維持管理するのが「コース管理」という部署です。
私は1996年4月に入社以来、10数年コース管理課に身を置いてきました。

入社時、有馬カンツリー倶楽部では、パッティンググリーン以外のティーイングエリアとジェネラルエリア(ティーイングエリア、バンカー、パッティンググリーン、ペナルティエリア、OBを除いた全エリアを指します)において完全無農薬によるコースの管理を1995年10月から始めたばかりの頃でした。

関西圏のベッドタウンとして10年連続日本一の人口増加率にもなった北摂三田ニュータウンが隣接する地域ということもあり、現在のSDGsに先駆け、周辺環境に配慮してのことでした。
2002年までの7年間に渡り、完全無農薬および化学肥料を一切使わず有機栽培による芝生の育成管理を行いましたが、結果は大失敗。
全ティーイングエリアと全フェアウェイを含む10万㎡を超える面積の芝生を入れ替える羽目になりました。

詳細については、有馬カンツリー倶楽部のホームページを見てもらえればわかっていただけると思いますが、失敗の原因として簡単にいえば「研究段階で実践し、ゴルフコースという商品を研究利用したこと」につきます。

有馬カンツリー倶楽部の歴史

こうした状況に対し、一番迷惑をこうむったのは、もちろんお客様ですが、研究段階の状態で当時の経営者から管理方針を180度転換させられ、それに翻弄されたコース管理職員も被害者でした。
懸命に努力しましたが、良質な土壌は作れても、良好なスポーツターフを維持することができませんでした。
お客様がプレーしている最中も作業を行っていたため、プレーの進行方向とは違う方向で待機している我々コース管理職員目掛けてボールが飛んできたこともあります。
「こんなコースでゴルフができるか!」と、、、

2002年6月から8月末にかけて芝生の大規模張替え工事は、全従業員あげて約3か月間行われ、現在に至る回復の道をたどることになります。
これ以降は、無農薬管理の7年間を反省し、環境へ配慮をしつつも、お客様に満足していただくという一番大切な目的を忘れることなく、良質なスポーツターフをつくり、それを維持していくこととしました。

ゴルフコース及びゴルフコース管理へのお客様の評価は原則的に”減点方式”です。
お客様にしてみれば、せっかくプレーするときには良いコンディションのゴルフコースでプレーしたい!こうした思いは至極当然です。これはすべてのゴルファー共通の思いです。
この思いにこたえるためには、常に良いコースコンディションを維持する必要があります。

しかし、芝生は植物であり、生き物です。
どうしても一年を通じて、一定のコンディションを維持し続けることは不可能なのです。

そのため、パッティンググリーンに「エアレーション(グリーン上に穴をあけて通気と水の浸透力を改善する作業)」や「目砂(グリーン上の砂を散布して土壌改良を行う作業)」などの土壌更新作業が行われた直後にプレーされる方には、「こんな穴だらけ、砂だらけのグリーンでパターができるか!」とクレームがでることがしばしばあります。

初夏の芝生が旺盛に育成する時期はどうしてもグリーンスピードが遅くなります。
もっと速く転ぶグリーンを作れないこともないのですが、無理をすると必ず後でしわ寄せがきます。

また梅雨の長雨時期はどうしてもグリーンの表面が柔らかくなり、コンパクション(グリーンやフェアウェイなど(土壌)の硬さを表すために使われる尺度)が出ません。
そんなときには「ボールマークだらけの汚いグリーン」と言われることもあります。

良いコンディションの時にはお褒めの言葉や書き込みをいただきますが、コースレイアウトに対する誉め言葉が多く、管理している従業員の心にまで響きません。

キャディーやフロント、レストランが行う接客とは当日プレーされるお客様にゴルフを楽しんでもらうための業務です。

しかし、コース管理の多くの業務は、今日来場されているお客様のための作業ではありません。
明日以降に来場されるお客様、または3か月後、半年後に来場されるお客様のために行う作業が多いのです。
前述した更新作業や薬剤肥料の散布などもそうです。

そのため、作業当日や作業後すぐにプレーされるお客様には嬉しい状態ではありません。
はじめてのゴルフ場でのプレーを楽しみに、たまたま来場されたビジターのお客様には迷惑な話とも言えます。しかし、コース管理の仕事とはそういうものなのです。

そのためにどうしても接客がメインの部署とは微妙な距離感が生まれます。「コース内で仕事中にお客様に出会ったら、気持ちよく挨拶しよう」と言っても、なかなか上手くいきません。
作業はプレーの邪魔なので、コソコソ隠れがちになるか、気づかないフリをして作業を続けるかのどちらかを選択しがちになります。

私自身も、上記したように過去はとても悪いコースコンディションだったために、常に逃げるようにしていたので、よく理解できます。

しかし、こうした状況を打破し、何とかしたいという思いは強く持っています。
お客様に気持ちよく接することができるようになるためには、自分たちのゴルフ場での役割を明確にして、各々の自尊感情の醸成が重要と考えています。
自分を価値ある存在として尊重し認める心を持つことが何よりも大切と考えました。

そこでまず2つの策を実行してみました。

1つ目は、年1回発行している会員向け会報誌にグリーンキーパー(コース管理のトップ)の写真を入れたインタビュー記事を掲載してコース管理の想いを会員に知ってもらうことにしました。
これにより、お客様との距離を縮める効果も得られるのではないかとも考え実行しました。
実際に2022年2月発行の会報誌で紹介いたしました。

2つ目は、ファーストティやGちゃれといった初心者向けゴルフイベントに、コース管理を積極的に参加させるということです。

作業のデモンストレーションなどを行い、直接「すごい!」といった声や拍手をたくさんもらうこと。これによって自尊心が芽生え、仕事に対する前向きな意識が生まれるのではないかと考えました。
ファーストティなどの子供ゴルフ教室で2021年夏より、管理機械や管理職員と触れ合うイベントを開始しています。

贔屓目かもしれませんが、少しずつ変わり始めたのではないかと思っています。

これからゴルフを楽しむときに、そのコースを懸命に維持するコース管理の人たちがいるんだということを少しでも理解して気遣ってもらえたら、それだけで嬉しく思います。
今後とも有馬カンツリー倶楽部のコース及び弊社コース管理課を何卒よろしくお願いいたします。

新有馬開発株式会社
代表取締役 谷 光高

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